2024年度 日本福祉心理学会九州部会 九州福祉心理士研修会 開催報告
テーマ：福祉現場における心理的ケアの実際
企画趣旨：いまの時代を生きるこどもや若者たちはどのような思いで何を感じながら生活しているのだろうか。本研修では、基調講演として生きづらさを抱えるこどもや若者の理解とその支援内容について、公園での夜回りとまちの保健室の取り組みを紹介していく。さらにシンポジウムでは「居場所とかかわりを求めるこども・若者に何ができるのか」というテーマで福祉心理学的な視点から議論を深めていく。本研修を通して、現代社会における社会的な問題と福祉的な課題に対して実践の場からの声をもとに心理的ケアの重要性について考える。
日 時：2025年1月26日（日）13：00～17：00
会 場：西九州大学神埼キャンパス3号館4階343講義室（佐賀県神埼市神埼町尾崎4490-9）
基調講演：講師（筑紫女学園大学人間科学部人間科学科心理・社会福祉専攻 准教授 大西良氏）
タイトル「生きづらさを抱えるこども・若者の理解とその支援
～公園での夜回りとまちの保健室の取り組みを中心に～」
シンポジウム：
タイトル「居場所とかかわりを求めるこども・若者に何ができるのか」
コーディネーター（西九州大学健康福祉学部社会福祉学科 教授 黒田研二氏）
コメンテーター（筑紫女学園大学人間科学部人間科学科心理・社会福祉専攻 准教授 大西良氏）
シンポジスト（自立援助ホームSwitch ホーム長 中嶋亮太氏）
（NHK福岡放送局 ディレクター 鬼頭里歩氏）
研究発表：
タイトル「医療従事者による研究活動に関する研究調査報告」
発表者（西九州大学大学院生活支援科学研究科健康福祉学専攻博士前期課程 鍋内哲朗氏）
タイトル「中国における高齢者介護教育の展開と動向－介護専門職の人材育成に向けて－」
発表者（西九州大学大学院生活支援科学研究科健康福祉学専攻博士後期課程 薛春氏）
タイトル「保育現場での子どもにかかわるリスクマネジメントの現状と課題」
発表者（西九州大学健康福祉学部社会福祉学科 准教授 占部尊士氏）
参加者：日本福祉心理学会会員、福祉・教育関係者、学生等、30名程度
所 感：福祉現場においてどのような心理的ケアが求められているのか。地域の現場で活躍されている専門職の方々による切実な訴えは、参加者の心に響くリアルな体験となりました。基調講演では、実際に発せられた子どもや若者の声に耳を傾けることで、現代社会における様々な課題を知ることができました。そしてシンポジウムでは、子どもや若者の居場所をどのように作っていくのかという次世代を担う人々への支援について、参加者とともに活発な議論が交わされました。さらに研究発表では、介護や医療、保育・幼児教育の現場における様々な課題についての研究報告がなされました。参加者の声としては「とても良い学びの機会になりました。ぜひまたこのような機会を」「心理的な支援のニーズが高まっている今、このような交流や協力の機会は特に重要だ」「福祉に携わる人材になる者として、今回学んだことは深く胸に刻みたい」などの感想がありました。
